リチウム価格の急落がEV市場を激変:2026年のバッテリーコスト革命
リチウム価格、ピークの10分の1に暴落
2026年5月時点で、電池向け炭酸リチウムの価格は1トン当たり6万500元(約122万円)となり、わずか1年で37.6%の下落を記録しました。さらに衝撃的なのは、過去のピーク時と比較すると、リチウム価格は約10分の1に暴落しており、市場構造に大きな変化をもたらしています。
電池パック価格が歴史的な低水準へ
グローバルなリチウムイオン電池パック価格は2025年に1kWhあたり108ドルまで低下し、これは2010年比で93%の価格削減に相当します。特にLFP(リン酸鉄リチウム)系電池の価格は約81ドル/kWhと、ニッケル・マンガン・コバルト系の128ドル/kWhと比べて大幅に安価です。一部の市場ではLFP系電池が50ドル/kWhを下回る価格で取引されており、低価格EV開発が現実化しています。
供給過剰が2030年まで継続予測
価格低下の主要因は世界的なセル生産能力の過剰です。中国メーカーは自国のEV市場や定置型電源需要を満たしてなお余る生産キャパシティを保有しており、メーカー間の熾烈な価格競争が続いています。複数の市場調査機関は、この供給過剰の状況が2030年まで継続すると予想しており、業界構造の長期的な変動が予測されています。
全固体電池とLFPが2026年以降を二分
トヨタが出光興産と共同開発する全固体電池は2027~2028年の量産を目指しており、2026年は製造プロセスの最適化がキーワードとなります。一方、コスト面での優位性から、LFP電池への需要シフトが加速し、低価格EV市場では中国メーカーの躍進を支えています。同時に、各メーカーは原材料価格の変動に左右されにくい新型電池材料の開発も進め、次世代電池競争は本格化しています。
