CATLナトリウム電池「Naxtra」量産&リチウム高騰:2026年夏、電池コスト逆転が始まった

リチウム価格が2倍超に急騰——「脱リチウム」への圧力が臨界点へ

2026年初頭、リチウム炭酸塩のスポット価格は約2万ドル/トンに達し、2025年同期比で2倍以上の水準となった。2022年の最高値からは依然70%低いものの、2025年5月の底値(約8,000ドル/トン)から57%もの急反発を記録。この原材料コストの高騰が、電池メーカーに代替技術の実用化を強く迫っている。

CATL「Naxtra」——ナトリウムイオン電池がついに量産フェーズへ

世界最大の車載電池メーカーCATLは2026年、ナトリウムイオン電池ブランド「Naxtra」の量産を本格化させた。セルレベルのエネルギー密度は175Wh/kgに達し、主流のLFP(リン酸鉄リチウム)電池と同等の性能水準を実現。コスト面でも50〜56ドル/kWhとLFP(52〜55ドル/kWh)に拮抗しており、CATLは「2026年末にはコストパリティを達成する」と宣言している。2026年中に1万〜2万台のEVへの搭載を見込み、最初の量産出荷は同年9月の予定だ。

長安Nevo A06——世界初の量産ナトリウムイオン乗用EV

CATLと長安汽車が共同開発した「Nevo A06」は、量産ナトリウムイオン電池を搭載した世界初の本格乗用EVとして2026年中盤に市場へ投入された。最大の強みは低温耐性で、−40℃でも公称容量の約90%を維持する。この性能は中国北部や欧州など寒冷地市場での訴求力が高く、リチウム系電池が苦手とする領域をカバーする。

FordがLFP電池を米国内製化——西側諸国の電池戦略も転換

2026年6月、FordはミシガンのBlueOval Battery Park MichiganでCATLの技術ライセンスを活用したLFP電池セルの生産を開始した。2027年登場予定の3万ドル級EVピックアップへの搭載が見込まれており、米国での電池内製化は安全保障・コスト両面での意義を持つ。LFP技術の普及は中国を超えて西側諸国にも波及しており、グローバルな電池コスト競争は新局面を迎えている。

全固体電池は2027〜2028年へ——今は「ナトリウム・LFP」の実戦年

全固体電池の市販車搭載は2027〜2028年が現実的な目標とされる。2026年の電池市場は、ナトリウムイオン電池とLFPが主役を担い、コスト削減と原材料リスクの分散が最大のテーマだ。IEAの「Global EV Outlook 2026」も、電池価格の継続的な下落がEV普及を後押しすると指摘する。リチウム依存からの脱却と電池コストの逆転——2026年夏は、その転換点として歴史に刻まれる可能性がある。

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