Unity 7×AIエージェント統合が拓く車載HMI開発の新パラダイム:Unite Seoul 2026レポート

Unite Seoul 2026でUnity 7ロードマップが世界初公開

2026年7月21日、韓国・ソウルのCOEXで開催された開発者カンファレンス「Unite Seoul 2026」において、Unityは次世代エンジン「Unity 7」のロードマップを世界で初めて公開した。50以上のテクニカルセッションが行われた同イベントには自動車・製造・海事など産業分野のセッションも多数含まれ、特に日系大手自動車メーカーによるHMI量産事例の発表が注目を集めた。

Unity 7の3大柱と車載HMIへのインパクト

Unity 7はゲーム開発にとどまらず、車載HMI開発にも大きなパラダイムシフトをもたらす可能性を秘めている。発表された主要機能は以下の3点だ。

1. AIコーディングエージェントとの協働(MCP統合)

Unity 7では、無償で提供されるMCP(Model Context Protocol)を通じてAIコーディングエージェントをUnityエディターに直接接続できる。これにより開発者、アーティスト、プロデューサー、AIエージェントが製品ライフサイクル全体を通じて協働できる「オープンコラボレーション」環境が実現する。自動車OEMにとっては、HMIデザイン変更から実装・検証までのリードタイムを劇的に短縮できる可能性がある。

2. ブレークスルーグラフィックス:シェーダービルド最大90%高速化

リアルタイムグローバルイルミネーション技術「Surface Cache GI」の導入により、より精細でリアルな照明表現が全プラットフォームで実現される。シェーダービルドも最大90%高速化されるため、車載コックピットの高精細UIプロトタイピングやユーザビリティ評価の反復サイクルが大幅に加速する。

3. 新CLI・パブリックAPI:エディター不要のコラボレーション

新しいCLIとパブリックAPIにより、Unityエディターへのフルアクセスを必要とせずに、自社ツールからアセット検証やビルドプッシュが可能になる。OEMと部品メーカー間のSDV開発ワークフロー統合が一層スムーズになる。

日系自動車メーカーHMI量産事例が示すUnityの車載浸透

Unite Seoul 2026では、日系大手自動車メーカーのHMI量産事例と技術知見を紹介する専用セッションが設けられた。ToyotaはUnityを次世代HMIのGUI開発基盤に採用(2025年2月発表)、MazdaはCX-5をはじめとするPhase 2(2025〜2027年)モデルへのUnity搭載を進めており、日本国内での量産実績が着実に積み上がっている。また産業トラックでは韓国産業技術研究院によるデジタルツインベースの合成データパイプラインや、サムスン重工業のXRコンテンツ開発事例も披露された。

リリーススケジュールと今後の展望

Unity 7の早期ベータは2026年12月に開始予定で、正式リリースは2027年第1四半期が見込まれている。Unity 6からUnity 7への移行は「破壊的変更なし」で可能とされており、既存の車載HMIプロジェクトを継続しながら新機能を段階的に取り込める移行パスが用意される。AIエージェント協働時代の到来を見据えたUnity 7の進化は、SDV(ソフトウェア定義車両)開発の主要ツールとしてのUnityの地位をさらに強固にするものと見られる。

参考情報

Claude Codeから自然言語でFreeCADを操作!MCP サーバーのセットアップ方法

AIで3Dモデリングができる時代へ

「3Dモデルを作りたいけど、FreeCADの操作が難しくて…」そんな悩みを持つ方に朗報です。FreeCAD MCP(Model Context Protocol)サーバーを使えば、AIアシスタントのClaude Codeに話しかけるだけで3Dモデルを作成・編集できるようになります。

MCPとは何か?

MCPとは、AIアシスタントが外部ツールを操作するための標準的な仕組みです。今回はこのMCPを使って、Claude CodeとFreeCADを橋渡しするサーバーを立ち上げます。

必要なものを準備しよう

  • FreeCAD(インストール済み)
  • Python 3.12以上
  • uvパッケージマネージャー
  • Claude Code CLI

セットアップの流れ

① リポジトリのクローンと環境構築

まずGitHubからfreecad-mcpをクローンし、uv sync --system-certsで仮想環境を作成します。企業プロキシ環境ではSSLエラーが出ることがありますが、--system-certsオプションやgit -c http.sslVerify=falseで対処できます。

② FreeCADにアドオンをインストール

リポジトリ内のaddon/FreeCADMCPフォルダを、FreeCADのModディレクトリへコピーします。Windowsなら%APPDATA%\FreeCAD\Mod\、Linuxなら~/.FreeCAD/Mod/が対象です。

③ Claude CodeにMCPサーバーを登録

以下のコマンドでMCPサーバーを登録します。

claude mcp add -s user freecad /path/to/freecad-mcp/.venv/Scripts/freecad-mcp.exe

ポイントは-s userを必ず付けること。省略するとそのプロジェクトでしか使えなくなります。

④ FreeCADでRPCサーバーを起動

FreeCADを起動し、ワークベンチ一覧から「MCP Addon」を選択。ツールバーの「Start RPC Server」をクリックすると、ポート9875で待機状態になります。

実際に使ってみよう

設定が完了したら、Claude Codeのチャットに話しかけるだけです。

「10mm×10mm×10mmのボックスを作って」

と入力すれば、Claudeが自動的にFreeCADのツールを呼び出して3Dモデルを生成してくれます。もちろん、コードで直接ツールを呼び出すことも可能です。

使えるツール一覧

  • create_document:新規ドキュメント作成
  • create_object:オブジェクト追加
  • edit_object:オブジェクト編集
  • execute_code:Pythonコード実行
  • get_view:スクリーンショット取得
  • run_fem_analysis:FEM(有限要素法)解析実行

まとめ

FreeCAD MCPを使えば、3Dモデリングの専門知識がなくても自然言語で形状を作れます。さらにFEM解析までClaudeから実行できるため、設計作業の自動化にも大きく貢献します。AIと3DCADの組み合わせは、ものづくりの新しい可能性を切り開く技術です。ぜひ試してみてください。

UnityでMCPツールが「ファイル名が長すぎます」エラーになった時の解決策

Unity のMCP(モデルコンテキストプロトコル)ツールを使ってC#コードを実行する際に、こんなエラーが出ることがあります。

Error running mono.exe: ファイル名または拡張子が長すぎます。

なぜこのエラーが起きるのか

UnityのMCPツールは、通常「CodeDom」という仕組みでC#をコンパイルします。このCodeDomは、コードをコンパイルする際にWindows上でmono.exeというプログラムを起動しますが、その時に使用するアセンブリ(DLL)のパス情報をコマンドラインで渡します。

Unityプロジェクトが多くのパッケージを使っていると、これらのパス情報が合計で長くなりすぎて、Windows が許可している文字数の制限(260文字)を超えてしまい、エラーになるのです。

解決策:Roslyn を使う

CodeDom の代わりに「Roslyn」(マイクロソフトの公式なC#コンパイラ)をメモリ内で直接動かすことで、この問題を回避できます。幸いなことに、Unityには既にRoslynが組み込まれているので、それを有効化するだけです。

実装方法

以下のコードを Assets/Editor/RoslynLoader.cs として保存してください。

[InitializeOnLoad]
static class RoslynLoader
{
    static RoslynLoader()
    {
        var editorData = Path.GetDirectoryName(UnityEditor.EditorApplication.applicationPath);
        var roslynDir = Path.Combine(editorData, "Data", "MonoBleedingEdge", "lib",
                                     "mono", "msbuild", "Current", "bin", "Roslyn");

        var dlls = new[]
        {
            "System.Collections.Immutable.dll",
            "Microsoft.CodeAnalysis.dll",
            "Microsoft.CodeAnalysis.CSharp.dll",
        };

        foreach (var dll in dlls)
            if (File.Exists(Path.Combine(roslynDir, dll)))
                Assembly.LoadFrom(Path.Combine(roslynDir, dll));
    }
}

このコードはUnityの起動時に自動実行され、RoslynのDLLファイルをメモリにロードします。[InitializeOnLoad]属性により、Unityが起動するたびに自動的に実行されます。

確認方法

実装後、MCPツールで以下のコードを実行してみてください。

return System.Type.GetType(
    "Microsoft.CodeAnalysis.CSharp.CSharpSyntaxTree, Microsoft.CodeAnalysis.CSharp"
) != null ? "Roslyn有効" : "未ロード";

「Roslyn有効」と表示されれば成功です。これで長いファイルパスの問題が解消され、エラーなくコードが実行できるようになります。