BYD「5年で世界最大」宣言とテスラ復調:2026年6月EVメーカー覇権争いの最前線

BYD、株主総会で「5年以内に世界最大の自動車メーカー」宣言

2026年6月9日、中国EV大手BYDの王伝福会長は株主総会で「5年以内に世界最大の自動車メーカーになる」と宣言し、業界に衝撃を与えた。2020年に約19万台だった年間販売台数は2025年に約460万台(約24倍)に拡大。2026年5月の中国外販売台数は16万台超と前年同月比80%増を達成し、2026年通期の海外目標150万台に向け快走している。またドイツの自動車研究機関CAMが発表した「Automotive INNOVATIONS Report 2026」では、BYDが総合イノベーションランキング1位に輝いた。

欧州での現地化加速——ハンガリー工場が鍵

欧州では2026年1〜4月のBYD市場シェアが1.9%(前年0.8%)に拡大し、英国では3.4%に達してルノーやボルボを上回った。欧州連合(EU)の対中EV追加関税(最大45%超)を回避するため、BYDはハンガリー工場を欧州製造の一極と定め、2026年第4四半期に「Dolphin Surf」の現地組み立てを開始する予定だ。

テスラがQ1 2026でEV販売首位を奪還

一方テスラは2026年第1四半期に世界EV販売で35万8,023台を記録し、BYDから首位を奪い返した。低価格モデルの拡充と自動運転機能の進化が回復を牽引しており、BYDとのトップ争いは今後も拮抗が続く見通しだ。

トヨタは「マルチパスウェイ戦略」で最高販売台数を更新

トヨタは2025年度の世界販売台数が1,047万台と過去最高を達成した。HV・PHEV・FCV・EVを組み合わせる全方位戦略がトランプ関税下でも底堅さを発揮。2026年を次世代EV本格展開の年と位置づけ、EV年間150万台規模の達成に向け技術の社会実装を加速するとともに、テスラ・BYD水準の収益性を目指したEV戦略の抜本改革も進行している。

国内市場:補助金格差とシェア拡大の攻防

日本国内ではEV・PHEVの新車販売シェアが約2%台に達したが、BYDへの補助金額が国産メーカーより約90万円低く設定される「補助金格差」が問題視されている。欧米の対中関税強化が中国メーカーの現地生産シフトを促す一方、各メーカーの価格・技術・政策対応力がEV覇権の行方を左右する局面に入っている。

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