Waymo「Ojai」世界展開とトヨタ提携で加速:2026年夏、自動運転が個人所有車へ進化

2026年夏、自動運転は「タクシー専用」から「マイカー」へ

2026年は自動運転業界にとって真の転換点となっている。調査会社Wood Mackenzieは「2026年が自動運転の分水嶺」と断言し、2030年までにグローバルの無人タクシー車両が現在の10倍超・10万台規模に膨らむと予測する。その象徴的な出来事が、WaymoとトヨタによるMaaSの枠を超えた戦略的提携だ。

Waymo第6世代「Ojai」が一般サービスへ

Waymoは2026年5月末、中国・Geely傘下のZeekrと共同開発した第6世代ロボタクシー「Ojai」の一般向けサービス展開を開始した。エレベーター式ドアとフラットフロアを採用したミニバン型EVは、センサー数を従来比42%削減しながら積雪地域にも対応。サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックスでまず展開し、デンバー、ラスベガス、サンディエゴへ順次拡大。2026年末には全ユーザーへの解放を見込む。

トヨタとの提携が示す「個人所有車」への野心

2025年4月に発表されたトヨタとWaymoの戦略的パートナーシップは、2026年に入り新局面を迎えた。Waymoの最高製品責任者は「タクシー専用ではなく、個人所有車へのWaymo Driver搭載を検討中」と明言し、高価なセンサーをさらに削減して一般消費者が購入できる価格帯を目指す方針を示した。自動運転が「乗るもの」から「所有するもの」へと進化する歴史的転換点が近づいている。

欧州・日本でも攻勢:ドイツ法人設立と東京展開加速

Waymoは欧州進出を本格化させ、ドイツのミュンヘンにWaymo Germany GmbHを設立。ベルリンとミュンヘンでのテストドライバー募集も始まった。日本では東京都内7区での公道データ収集を継続しつつ、Uber・Wayveとの三社連合が2026年後半の試験運行開始を目指している。

Uberも1億ドル投資:充電インフラが自動運転普及の鍵

配車大手Uberは自動運転車両向けにサンフランシスコ、ロサンゼルス、ダラスで総額1億ドル規模の充電ハブ整備を表明した。ロボタクシーの持続的運用にはインフラ整備が不可欠であり、ソフトウェアと並びハード面の競争も激化している。2026年夏、自動運転は技術実証の段階を超え、都市インフラとして根付き始めた。

参考情報

米中ロボタクシー欧州争奪戦2026年6月:Pony.ai欧州上陸・Waymo拡大・UN基準採択直前の最前線

国際基準採択直前、ロボタクシー競争が最終局面へ

2026年6月23〜26日、国連欧州経済委員会(UNECE)のWP.29会議でレベル4自動運転を対象とした世界初の国際安全基準が採択される見通しだ。日本・EU・韓国が取り込む「UN Regulation(UNR)」と、米国・中国が適用する「グローバル技術規則(GTR)」の二本立て構造で、「慎重な人間ドライバー以上の安全水準」を原則とした柔軟な枠組みとなる。採択直前の今、世界各地で自動運転の「実績作り」が加速している。

Pony.ai・Bolt・Stellantisが欧州でタッグ結成(6月9日発表)

6月9日、中国発の自動運転企業Pony.aiは、ライドシェア大手Boltとステランティスとともにルクセンブルクでレベル4自動運転のパイロットプログラム開始を発表した。第7世代(Gen-7)自律走行車をステランティスのL4対応ミニバンに搭載し、完全無人での実証を目指す。Pony.aiはすでに4月にザグレブ(クロアチア)で欧州初の有償ロボタクシーを開始しており、今回のルクセンブルク参入で欧州2拠点目となる。米国主導とみられていた欧州市場に中国勢が本格浸透しつつある。

Waymoは米国6市場目・高速道路対応へ拡大

米Alphabetグループのウェイモは2026年1月にマイアミで一般向けサービスを開始後、4月にマイアミ・オーランド全域へ招待制を撤廃して完全公開した。さらにマイアミ都市高速道路でのテストも始動し、フェニックス・サンフランシスコ・ロサンゼルス・マイアミに続く高速道路対応4都市目となった。Avride(旧ヤンデックス自動運転部門)はDallasでのUber連携で6万件以上の旅客輸送をこなし、累計自律走行距離130万マイルを達成した。

中国vs米国:ロボタクシー市場争奪の実態

ゴールドマン・サックスは2026年の中国ロボタクシー稼働台数を約1万4,000台と予測し、前年比195%増という急拡大を見込む。WeRideは12カ国40都市超で2,600台超を運用し、世界最多の展開数を誇る。Pony.aiは中国内での自動運転EVトラック1,000台規模の量産計画も進める。

一方、米国のWaymoは週50万件の有償輸送を記録し、累計完全自動運転距離は2億マイルを超えた。ワシントンD.C.・サンディエゴ・ダラスなど次期拡大都市も控える。米中双方が「実績と安全データ」を積み上げ、6月23日のUN基準採択後に規制承認を早期取得しようとする競争が激化している。

日本への波及と展望

国土交通省はWP.29の副議長として基準策定に関与し、「日本の安全思想を反映させた」と評価する。国内では千葉・柏の葉地区を含む10カ所超でレベル4バスが営業運行中だ。ただし時速13kmでの遠隔操作すら困難なケースも報告されており、ルールと現実の溝は依然深い。6月23日の採択をターニングポイントに、世界のロボタクシー競争は法整備と実用化の双方で新たなステージに入る。

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