Unity Industryに「IDAO」新ライセンス体系が登場
Unity Technologiesは2026年8月4日(日本時間)、産業用途向けプラン「Unity Industry」に対して新たなライセンス体系「Internal Deployment Add-On(IDAO/内部展開アドオン)」を発表した。Unityで制作したアプリケーションを組織内のユーザーへ配布する際、月間アクティブユーザー(MAU)数に応じて年額が加算される仕組みだ。
料金体系は、Unity Industryライセンス保有者を除く社内ユーザー100MAUまでは既存ライセンスに含まれる。101〜500ユーザーの「Starter」ティアは年間112万5,000円、501〜5,000ユーザーの「Scale 1」ティアは年間600万円となる。超過分は100MAU単位で15万円のパック購入が可能だ。
自動車・SDV開発への直接的影響
IDAOが特に注目されるのは、Unity Industryを車載HMI開発や工場内デジタルツインに活用する自動車メーカーやTier1サプライヤーへの影響だ。社内の設計・検証担当者や製造ライン作業者がUnityベースのHMIシミュレーターや3Dビューアを日常的に利用している場合、MAUが100を大きく超える可能性がある。マツダの新型CX-5やトヨタ・レクサスの次世代HMIといった国内OEMでのUnity採用が広がるなか、開発コストの再試算が急務となっている。
既存アプリへの猶予措置
Unity Technologiesは移行期間を設けており、2026年8月3日以前に稼働済みのアプリケーションは2027年3月31日までにIDAOポータルへ登録することで適用除外となる。また新規アプリも2027年8月1日まで猶予があり、IDAO本格運用は2027年8月から開始される。
産業DXカンファレンス PLUS 2026で示された技術方向性
IDAOの翌日となる8月5日には「Unity 産業DXカンファレンス PLUS 2026」がオンラインで開催され、合計24講演が無料配信された。SDV(ソフトウェア定義車両)や車載HMIの最先端活用事例、Unity AIを活用した設計・検証ワークフローの効率化など、自動車業界が直面する課題への解決策が提示された。
CEDEC 2026でのUnity最新技術動向
7月22〜24日にパシフィコ横浜ノースで開催されたCEDEC 2026では、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンがゴールドスポンサーとして3セッションを実施した。Unity AIの実践的活用事例、最新3D/2Dグラフィックス機能の解説に加え、MonoからMicrosoft CoreCLRへの.NETランタイム移行事例も披露された。CoreCLRは現代的なガベージコレクタや最新C# 14対応をもたらし、Unity 6.8でのMono完全置き換えを予定。車載組み込みプラットフォームでの動作安定性と実行性能の向上が期待される。
参考情報
- Unityが新料金システム発表、ただし”ゲーム用途以外”のUnity Industry向けに(AUTOMATON)
- 「Unity」で社内向け産業アプリ配布が有料に、「Internal Deployment Add-On」を発表(窓の杜)
- 8月5日開催、産業分野のオンラインカンファレンス「Unity 産業DXカンファレンス PLUS 2026」
- Unity「CEDEC 2026」でUnity AI活用事例、グラフィックス最新機能、CoreCLR移行など3セッションを実施
- Unity「CEDEC 2026」セッション詳細(PR TIMES)
- Unityがトヨタ自動車の次世代HMIに採用(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)
- CoreCLR, Scripting, and Serialization Update – June 2026(Unity Discussions)

